#8:【全般/GFDM】ギタドラ春の変拍子まつり(前編)【解説】
ぴこと申します。
本日もブログを見に来てくださり、まことにありがとうございます。
もうブログ書き始めてから2ヶ月が経過しようとしているようです。早いですね…!
今回は久しぶりにSOUND VOLTEX以外の記事を書くことと相成りました。話題は主にギタドラ楽曲なのですが、ゲームに関することというよりは楽曲についてお話しますので、未プレイの方にもある程度楽しんでいただけるかな、と思います。
さて、タイトルにもあります通り今回は変拍子についてのお話です。
拍子とは1小節の中を何カウントで区切るかを表す単位のことで、例えば3拍子なら「3カウント分で1小節のフレーズになる」ということを示すのですが、変拍子とはその名の通り「通常の拍子とは変わった拍子」のことを言います。
一般的には4拍子(2拍子)、ないしは3拍子(6拍子)の楽曲が多い中、5拍子や7拍子など特殊な拍子を持つ楽曲が登場することがあり、そういった楽曲のことを「変拍子曲」と位置づけています。
音ゲーマーは変拍子の楽曲を聴く場面が明らかに非音ゲーマーより多く、
中でもギタドラは、他の音楽ゲームに比べ変拍子をもつ楽曲が大変多いです。
理由としてはやはり、ギタドラが楽器を模したゲームであるという点から、実際にライブのステージで演奏されているようなプログレッシブ寄りの楽曲がゲームにマッチしている、ということが一番になるかと思います。(コンポーザーがプログレに精通している、という理由もありそうですが…)
あとは、やはり変拍子楽曲のほうが高難易度化しやすいという側面があります。そういった楽曲を実際にプレイするのはやはり大変で、中には楽曲の拍を覚えきるまでに何度もプレイをして慣れていかないといけない、というケースもあります。
小節頭をダウンピックでスタートしてオルタをしていたはずなのに、奇数拍子になっているせいで次の小節頭がアップピックになっている、なんてことも…。
今回の記事では、ギタドラが誇る変拍子楽曲たちを紹介しつつ、それが何拍子になるのか、どういった数え方でそんな拍子になっているのかを紐解いていきたいと思います。
最初は初級編(わかりやすい変拍子楽曲)から紹介し、徐々に変拍子度を上げていきます。
なお、楽曲名と一緒に主にその楽曲で使用されている拍子を記載します。
拍子の分母が4、8、16のものがあり、その違いはなかなか説明し辛いのですが
基本的には「使われている音の長さやフレーズ」「区切り方」などでざっくり判断しています。
4分音符で構成されるフレーズが多いなら4が分母になるとか。大体合っているかと思いますが、間違っていたらごめんなさい。
ちなみに、拍子の話をするときによく話題に上がる「3/4拍子と6/8拍子の違い」については、私よりも音ゲーや楽器演奏に長けているとある先生が以下の記事にて大変分かりやすく説明してくださっていますので、そちらを参照していただければと思います。
https://p.eagate.573.jp/game/bemani/hinabita/p/bittersweets/special/talk_28.html?n=28
先生方、ありがとうございました。それでは、変拍子楽曲の紹介に参りましょう。
【初級編】
・αρχη:5/8、6/8拍子
まずは分かりやすい例から。pop'n music、SOUND VOLTEXにも収録されていますね。この楽曲は基本的に6/8拍子で推移するのですが、たまに5/8拍子が顔を出します。
先ほど先生が申し上げていた通り6/8拍子は3+3で数えるのですが、5/8の部分では3+2というカウントになります。「1, 2, 3, 1, 2,」と数えるようなイメージですね。最初の図でいう「混合拍子」に該当します。
曲中にこういう「1カウント少ない」フレーズを入れることで、よりその部分にインパクトが生まれています。Bメロ後半で入れることによって、その後のサビ(6/8拍子)に向けて緊張→解放を生んでいるのも凄いところだなぁと思います。
ちなみにこの楽曲、アルケーという曲名がつく前は「うさぎとイデアのパズル」という仮タイトルだったそうです。それでもピッタリだなぁと思いました。
・九尾狐夜行:9/8拍子
続いてはOSTER projectさんのギタドラデビュー作である九尾狐夜行(きゅうびこやぎょう)。のちにIIDXに移植されました。
こちらも数こそ9という半端な拍子に見えますが、実際は「1, 2, 3, 1, 2, 3, 1, 2, 3,」、つまるところ「3拍子×3」が一括りになります。
フレーズを見ても「タータタータ」「タッタッタッ」「タッタッタッ」というように、自然に3つずつ区切れるようになっており、あまり変拍子感を感じません。
「九尾の狐だから9拍子」という仕掛けがとても好きです。
同じような括りで言うと「purple storm」も一部が3×3の9拍子になっている楽曲です。BPMも遅いので、9拍子というよりは3拍子というイメージの方が強いかもしれません。
「Blue Forest」も9/8拍子ですが、あちらはフレーズが3つで上手く区切れないのでより難解な作りになっています。ガチで9拍子な感じです(?)
【中級編】
・ちくわパフェだよ☆CKP:3/4、5/4、6/8、7/8、9/8、10/8拍子
こちらは先ほど紹介した記事で説明してくださっていた先生方の楽曲ですが、
中盤で変拍子がふんだんに使用されています。流石ですね…。ポップンのジャンルにもしっかり「プログレッシブ」がついています。
この曲はイントロとアウトロが3拍子、Aメロやサビは4拍子で構成されている楽曲なのですが、Bメロで大変様子がおかしくなります。
特に「ちくちパ」「ちくちくパ」「ちくちくちパ」…というように8分音符が1個ずつ増えていくフレーズは印象的です。6/8拍子からスタートし、最終的に10/8拍子にまで増えます。
何食べたらこんなの思いつくんでしょうね……ちくわパフェか。
なお、ちくパ♪ ちくパ♪ CKP♪ CKP♪ というフレーズは上記記事では6/8拍子の例として取り上げられており、語感的には確かに先生方のおっしゃる通り6/8拍子なのですが
この楽曲の「ち・く・パ」の部分は4分音符なので、3/4拍子と考えられます。それか6/4拍子ですかね。
・恐怖の右脳改革:5/4、15/8(7/8)拍子
お次はこちら。中級編ともなるとしっかりプログレッシブです。このへんの楽曲と仲良くなれ始めたらもうプログレマスターに片足を突っ込んでいると言ってもよいでしょう。
イントロが5/4拍子、中盤からは15/8(7/8)拍子がメインとなります。
15/8(7/8)拍子と記載していますが、実際には8/8拍子と7/8拍子を交互に繰り返しているようなフレーズになっているため、こういう表記にしています。
もともと16分音符で構成されているフレーズが多い楽曲なので8分でカウントすること自体が難しいというところはありますが、紐解いていくとけっこう規則的になっているのが分かります。
曲全体を通してもむしろ変拍子でない箇所は少ないのですが
それでこの聴きやすさになる、というのは非常に凄い楽曲だと思います。
さて、ここまで4曲紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。楽曲を聴いたことがない方もすでに何度もプレイされている方も、拍子について着目したうえで聴いてみると、違った発見があるかもしれません。
もしかしたら拍子を知ったことによって曲と仲良くなって、その曲自体が上手くなっているかも…?
今までの記事に比べてあまりに長くなってしまいそうだったので、上級編と変拍子楽曲への向き合い方についてはまた来週お話させていただければと思います。
変拍子楽曲を聴きながらお待ちいただければ幸いです!
【今日のまとめ】
・拍子とは、1小節を区切るためのカウント数
・一見変拍子に見える楽曲でも、区切ることで分かりやすくなる場合がある
・効果的に変拍子が入ることで、楽曲にインパクトが生まれる
ありがとうございました。