ぴこ師匠の音ゲーばなし

音ゲーに関する知識や雑学などを皆さまにお伝えするブログです。

#3:【SDVX】あんみつ打法はPUCの夢を見るか?【攻略】

ぴこと申します。
本日もブログを見に来てくださり、まことにありがとうございます。

 

前回の記事についてなかなか反響を頂いていて、嬉しい限りです。
探したらBPMが小数点以下の楽曲、いくらでもありそうですよね。みんなで持ち寄って発表したいです。


さて今回は、あんみつについてのお話でございます。
タイトルに「SDVX」とついているものの、他の音ゲーにもある程度関わってくるお話だとは思いますので
ボルテをやっていない方もぜひ、Uターンせずにお聞きいただければ幸いです…!

 


音ゲーをある程度やったことある方ならば、「あんみつ」という用語は一度は聞いたことがあるかな、と思います。
我々、普段当たり前のようにこの用語を使用していますが、知らない人からしたら何言ってるんだろう…となりますよね。

 

「夢幻ノ光のラストあんみつしたらたまたま光ってパフェった」

 

この文章はポップンをやっていらっしゃる方なら通じるかと思うのですが、音ゲーを何も知らない方からしたら
「夢幻ノ光という甘味処で締めにあんみつを楽しんでいたら、突然光り出して洋風になった」
という意味に捉えられてしまうかもしれません。(???)

 

あんみつの意味は言わずもがな「本来同時押しでない(ズレている)ノーツを同時押しで処理する」という音ゲー用語なのですが
もともとは「あんみつ」さんというbeatmaniaのプレイヤーの方が、SKA a go goのトリル地帯を同時押しで処理する、という手法を思いついたことからその名が付けられました。


由来は人の名前だったのですね…。ソフランとか1048式とか、特定の方や楽曲の名前が音ゲー界全体に広まる用語になるというのは割とあることですね。

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ちなみに夢幻ノ光のラストとはこれです。

右緑白のトリルは約BPM214の16分相当なので大変速いです

前置きが長くなってしまいました。
今回は、「いかにSDVXであんみつを利用するか」というテーマについてお話します。

 

私は高速の鍵盤譜面がかなり苦手で、ボルテのプレイ中は多くの場面であんみつを使っています。
それはPUC狙いの際も例外ではなく、実際にあんみつを使用してPUCまでこぎつけた譜面も数多くあります。

 

今回は普段からあんみつを使用している譜面について、「どのようにあんみつしているか」という情報を紹介しつつ
最後に個人的なあんみつに対する見解をお話していきたいと思います。

 


例1:Chant du Cygne(EXH)

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これがあんみつを説明するにあたって一番分かりやすい例です。


ラストの6連符(24分)地帯(図左)を、16分に変換して押します(図真ん中)。
そして運指を書き加えたのが図右赤丸が右手青丸が左手です。

 

3つ区切りの2ノーツ目と3ノーツ目のちょうど真ん中であんみつをする形となり、元の位置からは2ノーツ目が48分音符分後ろに、3ノーツ目が48分音符分前に移動することになりますが
ボルテの判定幅ではこのBPMでの48分ずらしはCRITICALの判定に入ってくれます。

 

その代わりタイミングが非常にシビアになるので、正確に16分で押すということに全力で意識を向けます。右手の単押しでリズムを合わせていくようなイメージです。

成功率は20%程度ですが、大崩れはしないので今でも使わせてもらっています。

 


例2:Nostalgic Blood of the Strife

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こちらも曲ラストの高速鍵盤地帯。
例1と同様の「16分変換」を使用していますが、いくつかポイントがあります。

 

まずこちらの譜面は16分変換すると図真ん中のようになりますので、左手をBCに固定して右手をD→A→D→Aというように追い越しさせます(図右)。
そして、「FXロングは多少早く入ってもOK」という仕様を利用して、ラストのBCと同時にFXを押してしまいます。

 

BPMが速すぎるゆえにですが、右手の追い越しで失敗しなければ大体光るので成功率は50%程度です。

 


例3:Awakening(MXM)

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同じく6連符ですが、こちらは少し毛色が違います。

 

あんみつは赤の四角で囲っている部分で、トリルを同時押し3回に変換します。


ただしこの箇所は拍通りにあんみつしてもD側のノーツがNEARとなってしまうため、気持ち遅めに(ひと呼吸置いてから)あんみつをします。
48分後ろ倒し、というレベルの細かいところまでは制御できませんので、このあたりは感覚です。

 

こちらの成功率は70%程度。気持ち遅めに押す、というのは慣れれば意外と出来るようになりました。

 


例4:Deadly Force(MXM)

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16分音符をあんみつする例。


こちらも拍通りにあんみつしたのでは後ろのノーツがNEARとなってしまうため、同様に少し遅らせるイメージです。

 

意識的には拍ごとに16分4つ3連符3つ16分4つ3連符3つ、と押すような感じですね。

そもそも元の譜面が難しいので成功率は30%程度ですが、全てCRITICALで抜けたときの脳汁はハンパありません。
(まあ、この曲に関してはここよりもその他の配置のほうが苦手なのですが…)

 


例5:Gate of Atlantis(MXM)

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実際にあんみつを使っているわけではなく「あんみつをしているっぽい意識」で捌いている例です。

 

この箇所はBPM180の6連符(24分)で鍵盤を捌く箇所になっていて、譜面自体の難しさというよりも
BPM300にハイスピを合わせていることによる「降ってくる速度が遅くて手が思ったように動かない」という問題点があります。

 

私は図右のように意識してみたら、かなり手が動くようになりました。
16分に変換することによって高速鍵盤のイメージを脳内から払拭するような感じです。

何を言ってるやらという感じですが、全てを正確に捌こうとするのではなく、上記のようにイメージを変えてある程度適当にこなすのも有効だったりします。

 

なお、この譜面はNostalgic Blood of the Strifeのように追い越しは使っておらず、AB左手CD右手固定で捌いています(BPMが遅めなので)。

 


・あんみつは有効か否か?

まず前提として、あんみつとは「本来の譜面をやりやすいようにごまかして処理する」手法です。
あんみつを使わずに正確に押せるに越したことはない」というのは間違いありません。
全てのノーツをリズム通り正確に押せるのならば、あんみつは全く必要ありませんので…。

 

また、「あんみつで理論値まで狙える」というのは割とボルテに特化した話で、IIDXポップンの判定の厳しさではあまり効果がない、ということをご承知おきください。(クリアやフルコン狙いなどのために使うのはアリだと思います!)

 

そのうえで言うと、ボルテに関してはあんみつはPUCを出すためにかなり有効だと思っています。
PUCに限らずですが、ベストスコアは特性上「一度出せば良い」ものなので、
紛れもなくあんみつが上記の譜面たちで高いスコアを出すための技術となっていたからです。

 

また大会などの「安定感を求められる場」にはこういった技術は不適なように思えますが、
実は大会的にも、あんみつの技術を持っていることに対してまったくの無意味である、とは考えておりません。

 

もちろん1回出してしまえばOKであるPUC安定感が求められる大会では必要となる技術は違うのですが
例えば先ほどのAwakeningの例でも、緊張状態で正しく押そうとした結果押し負けてトリルのラスト1個を取りこぼすよりも
「あんみつ」という安定手法を取りに行ってNEAR1~2で抜けるほうが良い、ということもあります。

 

ERROR1個とNEAR2個で失点は同じようですが、CHAINが切れることによる心理的負担トリルを取りに行くために向けた意識の多さなどもその後のプレイに影響してくると考えておりますので。

 

また、Gate of Atlantisのように、実際にあんみつを使用していなくてもあんみつの考え方を使って譜面を攻略できた例がありました。

少々強引ですが、そういった形で将来的に「今同時押しで処理しているものを少しずらせば良い」と考えれば
あんみつも「正確に押せることに近づいている」という風に言うことができるのかな、と思っています。


まとめると、あんみつは「ごまかしの技術ではあるが、正確に押せるようになるための足がかりとしては有効」というように私は考えています。


このあたりの意見は人によって個人差があると思いますのでこれが正解とは限りませんが、もしも私のように高速鍵盤譜面でお悩みの方がいらっしゃればひとつの参考になれば幸いです。

 

なんにせよ、高速鍵盤譜面がきちんと押せるようになるための鍛錬も欠かしてはいけないので、
少しずつですが上達できるように今後も頑張りたいと思っております。ホントだよ!

 


【今日のまとめ】
・あんみつの由来はプレイヤーの名前から
・正確に押せるに越したことはない
・実際にあんみつをしなくても「考え方」だけでも利用できる

 

ありがとうございました。