#2:【全般】そのBPM、本当に合っていますか?【雑学】
ぴこと申します。
本日もブログを見に来てくださり、まことにありがとうございます。
前回は役に立つ?話だったので、今回はあまり役に立たない話です。
読み物として、リラックスして読んでいただければこれ幸いです。
さて今回は、BPMについてお話させていただきます。
楽曲を構成する要素のうちの1つである「BPM(Beats Per Minute)」。
1分間に何カウントするかを表すこの数値は「楽曲のテンポ」を表し、音ゲーマーにとって非常に重要な意味を持ちます。
例えばBPM150とBPM160では、同じ譜面だったとしてもかなり体感の難易度が変わってきます。
BPM10の違いどころかBPM5、場合によってはBPM2~3違うだけで押しづらかったりすることもあります。
また、BPMが少し違うだけで途端にハイスピが合わせづらくなるといった経験は皆さんも体感したことがあるのではないでしょうか。
そんなBPMですが、音ゲーに収録されている楽曲の中には、表記BPMが機種によって違うケースが存在します。
今回はいくつか例を挙げて、各機種がどう表記BPMを決めているかについて、考察していきたいと思います。
なお、考察にあたって楽曲のBPMを実際に計測する必要があったため、以下のツールを使用させていただきました。
BPMカウンター
https://bpm.mononichi.com/
実際に楽曲を流しながらそれに合わせてTAPをするだけでBPMが出るスグレモノです。
人力でTAPをするので多少の誤差は出るかもしれませんが、それまでの平均値を出してくれるので、かなり信頼度の高い数値が出せます。
(一瞬だけBPMが変わるようなケースはなかなか計測が難しいですが…)
それでは、いくつか楽曲例を挙げさせていただきます。
・例1:卑弥呼
昨年7月にSOUND VOLTEXに移植され、話題となった卑弥呼。
beatmaniaIIDX上の表記は「83-185」ですが、SOUND VOLTEX上の表記は「82-185」となっています。
実際のBPM変化は以下の通り。
IIDX:185→93→185→88→85→83
SDVX:185→92→185→87→85→82
曲の音源は同じであるという前提のもとに考えると、表記だけがズレているということになります。
勘のいい方は既にお気づきかもしれませんが、実は83と82で違いがある部分、BPMの実測値は「82.5」でした。
同様に93と92で違いがある部分は「92.5」、88と87で違いがある部分は「87.5」です。
このことから、IIDXは小数点以下のBPMを切り上げて表記しており、ボルテは逆に切り捨てて表記していると考えられます。
前から変わったBPMの変わり方するなぁと思っていましたが、実際は185-175-170-165と変化していっているだけだった、というお話でした。
・例2:Little Little Princess
こちらはpop'n music peaceにてIIDXより移植されたLittle Little Princess。
IIDXではBPMが「180-212」となっているのに対し、ポップンでは「180-211」となっています。
実際に計測してみましたが、どちらもBPMは212ちょうどでした。
ポップンはボルテと同様、BPMが半減するタイプの楽曲は切り捨ての表記になっているので(デスレゲエがBPM102-205だったり)、
もしかしたら、BPM211.98とかその辺のBPMが正しいのかもしれません。こちらについては謎のままです…。
どなたかもし解明した方がいらっしゃいましたら、教えていただけると幸いです。解明リドルズだけに。
???
・例3:MODEL FT4
続いてはギタドラ初出のMODEL FT4。BPMは155です。
ギタドラでプレイしている時から「なんか2回目のサビがゆっくりになっている気がするな」と思っていたのですが
ボルテに移植されたとき、BPM表記が「145-155」となっており、腑に落ちた記憶があります。
ギタドラは正確に表記するというよりは「メインBPMのみを表記する」という傾向がありそうです。
DAY DREAM(BPM80-300)のように正確に表記されている楽曲もあるので、適当なだけかもしれませんが…w
ギタドラはBPMによってスクロール速度が変わるわけではないので、正確に表記されていなくてもあまり影響はないですね。
・例4:水面静かに大地の烈日わたらせて (Remaster)
続いてはpop'n musicからフルーフです。
この楽曲、ポップンではBPM表記が「124?」となっており、
ギタドラのRemaster版では「118-124」となっています。
しかし実際、この楽曲のBPM変化は70-124が正しいです。曲開始時がBPM118で、道中でメインBPMが124に変わります。BPMが70まで下がるのはほんの一瞬。私もポップンで初見プレイしたときに大変びっくりしました。
ポップンにはこういった「?」という表記が存在しており、本当に一部だけ変化するような場合に主に使用されます。
ハイスピをどこに合わせれば良いのかを明確にするための親切心なのかなぁと思います。
こういった「両方とも正確に記載されていないケース」というのは珍しいですが、
しかしながらどちらの機種もポリシーをもって表記BPMが決められていることが見て取れます。
・例5:Concertino in Blue
今や多機種に移植されているConcertino in Blue、初出はGF7dm6(2002)なので約19年前の楽曲です。凄い。
この楽曲のBPM表記は以下の通りです。
ギタドラ:BPM130-155
IIDX:BPM103-155
ポップン:BPM103-155
jubeat:BPM130-155
ボルテ:BPM103-155
見てわかる通り、ギタドラとjubeatのみBPM130-155となっています。
楽曲のBPMの移り変わりを見ると細かく変化はしていますが、BPMとしては103-155が正しく、かつBPM130となっている箇所はこの楽曲には存在しませんでした。
曲の最初がBPM140なので140-155にするならまだわかるのですが…。
出てくるBPMの平均値が130とかかな?などいろいろ考えてみたのですが、
結論としては、単純な表記ミスかな、と思います。BPM103かBPM140かどちらかにしたかったのかな、と予想しています。
差無来!!のように表記ミスを起こしているケースはありますので、たまーにこういった不整合が起こることもあります。
(ポップンがBPM168-210と正しく表記されているのに対し、ギタドラはBPM156表記です。どうしてこうなった…)
…と、BPM表記にはいろいろなケースがあることが分かります。
だから何だという話なんですが、こういった細かい箇所に目を向けてみるとまた違ったふうに音ゲー楽曲を楽しめるかな、なんて思います。
特にノスタルジアなどは楽曲のBPM表記が存在していないので、いろいろと計測してみたりすると面白いかもしれません。
最後に、なぜ今回この記事を書いたかということについて触れて、今回はお別れとしたいと思います。
前回の記事で、私は遅延ワイリングの説明をする時に「BPM150ならば1秒は8分音符で5つ分」という話をしました。
この150というBPM、The 10th KAC GuitarFreaks部門の課題曲でもある「美丽的夏日风」にも当てはまります。
スコアを詰めているときはその「8分音符5つ分」を数えながら遅延ワイリングをしていたのですが、
やたらと2回目のサビの遅延ワイリングが入らないことに気が付きました。
譜面の形や上げるべき位置は1回目のサビと同じなのに、1回目に比べて勝率が低すぎる。おかしい…。
色々な可能性を考え、とうとう私はひとつの答えに辿り付きました。そして実際に検証をして、確信しました。
なんと、2回目のサビはBPM145に落ちていたんです。
表記上のBPMは「150」です。FT4と同じパターンでした。そりゃ1回目のサビと同じ感覚でやったらワイリングが入らないわけですね…。
正確でないBPM表記の怖さを知った出来事でした(なお、BPMを理解してからはしっかり理論値を取得できました)。
【今日のまとめ】
・小数点以下の扱いはゲームによって違う
・細かい部分は省略されていることもある
・表記だけが全てではない
ありがとうございました。