ぴこ師匠の音ゲーばなし

音ゲーに関する知識や雑学などを皆さまにお伝えするブログです。

#26:【全般】全機種共通の指標は作れるか?(後編)【コラム】

ぴこと申します。
本日もブログを見に来てくださり、まことにありがとうございます。

 

7/29(木)より、夏の大型連動イベント「BEMANI2021 真夏の歌合戦5番勝負」が開始となりました。

チームRED/BLUEからボーカル曲がそれぞれ毎週1曲ずつ登場し、エールの獲得数で勝負するというイベント。

夏フェスみたいで大変良いですね。お祭り感がめっちゃある!!!

せっかくですので、この連動イベントについては来週の記事で触れたいなと思っています!

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じゃんけん大会から1年か… ところでみやちゃんの新曲まだですか

 

さて、先週の記事ではかなり多くの反響を頂きました。ありがとうございます。

「なんとか他の音ゲーを使って上達の近道を探れないか」というところからスタートした記事ではあるのですが、皆さんやはりその辺りは一度は考えたことがあるのかな、と実感しております。

 

相変わらず私は今週もIIDXで鍵盤をシバきまくっておりました。ほとんど☆12しかやっていないおかげでかなり認識力は上がっていますし、明らかにCHARGE関連(ロング拘束)の譜面に上達が見られています。

…が、やり過ぎて皮がむけたり手を痛めたりもしているので、程々にしようと思っていますw

 

まずは前回のおさらいとして、決定した「全機種共通の指標」をおさらいしていきましょう。(先週の記事について、詳しくは以下をご覧ください。)

picoquality.hatenablog.com

 

①物量/体力

同時押しやノーツ数の多い譜面に対して、バテずについていける能力。1曲を通して体力が必要な譜面はもちろん、局所的に体力が必要なものについても評価する。

 

②高密度/速度

BPMの楽曲や、瞬間最大密度の高い譜面に対応できる能力。

 

③譜面認識/分析

譜面を分析して出来る形に落とし込む能力や、高密度の譜面を認識する能力。
②は「押せる能力」、③は「見切れる能力」というイメージ。ソフラン(BPM変化)などもこの部分に該当する。

 

④精密さ

通常の譜面よりも比較的精密な操作を求められる場面に対応できる能力。BADハマりのしやすい譜面に対応できるか、片手が他の操作で拘束されている状態でしっかりと譜面を捌けるか、など。
①②が「押せる能力」なら、こちらは「避ける能力」といったようなイメージ。

 

⑤リズムキープ

ズレ・ハネ系の譜面や、リズムの取りづらい譜面に対して判定を取り切れる能力。ないしは、一定のリズムに対して高い判定を取り続けられる能力。
いわゆる「スコア力」がここに該当するようなイメージ。

 

⑥機種固有の技術

IIDXのスクラッチ、ボルテのつまみ、DDRの停止など、「その機種に特化した」譜面に対応できる能力。

 

 

後編の今回はこれをベースに、各機種の楽曲のグラフを実際に作成し、他機種の地力を活かすにはどうしたらよいのか?という部分について議論していきたいと思います。

 

今回はこちらのレーダーチャートを手軽に作成できるツールを使用させていただきました。ありがとうございます!

https://chachart.net/radar

 

いくつか作成したレーダーチャートの例を挙げてみますので、ご覧ください。

(レーダーチャート上の数値は私が「これくらいかな?」と判断して割り当てたものなので、解釈の不一致があったら申し訳ありません。)

 

 

IIDX:AA(SPA)、卑弥呼(SPA)

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まずはどちらもベーシックに有名なボス譜面を引っ張り出して比較してみました。

AAのほうが体力寄り、卑弥呼のほうが密度/テクニック寄りなイメージでしたが、レーダーチャートにしてみると一目瞭然ですね。

卑弥呼(SPA)のほうが300ノーツ程度多いのですが、AAのほうがずっと鍵盤を叩かせられるという意味で物量を高く設定しています。

 

②③④あたりは単純に卑弥呼のほうが求められる能力が高いという意味でこのようにしています(ソフラン等もありますし)。AA(SPA)の特殊な点としては譜面が若干ハネているので、⑤にその部分を加点しています。

 

 

・SDVX:Blastix Riotz(GRV)、Daisycutter(MXM)

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極端な鍵盤譜面/つまみ譜面をチャートに起こしてみました。

Blastix Riotzの①②Daisycutterの⑥については文句なしで最大値でしょう。特に後者は10段階で15とかにしても良いレベルです。

 

⑥はもちろんですが、つまみ譜面のほうが③④が高くなる傾向にありますね。結局「認識力+回す能力=つまみ力」ということになるので…。

グラフの形は全然違いますが、ぱっと見でなんとなくDaisycutterのほうが簡単に見えてしまうのが若干残念です。

「六角形が小さめだから難しくない」というわけにはいかないのがこの指標の特徴になるでしょうか…。

 

 

・GF:MODEL DD10(ADV-G)、DAY DREAM(MAS-G)

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こちらも極端な例について書いていますが、機種特有の技術(=左手と右手の同期やオルタネイトピッキング)が占めるウェイトが高い分、ボルテに比べて六角形がいびつな形になりやすいです。

MODEL DD10(ADV-G)は右手全振りみたいな譜面なのでこのようなチャートになるのもよく分かりますが、DAY DREAM(MAS-G)についても、発狂度合いは高いもののノーツが少ないので、最高難易度帯でも綺麗な六角形になることはあまりありません。

他の機種のボス楽曲のグラフと比べてみても、かなり異彩を放っていますね。

 

このように、楽曲ごとに共通の指標に当てはめてみることでより視覚的にわかりやすくなるので、チャートさえ作成してしまえば「同系統の譜面はどれか?」というのを探しやすくなります。(上記に挙げた楽曲6曲はどれも割と違った形になっていますが…)

 

また、この指標については、楽曲だけではなくプレイヤーのスキルを表すのにも使えそうだという風に考えています。例えば私ぴこの自己評価は以下のようなイメージ。

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自分で自分を評価するのはちょっとはずかしい

まず単純に①物量④精密さについてはどの音ゲーでも苦手分野なのでこのくらいの数値に。

②高密度も得意ではないのですが、「ずーっと体力譜面が続くよりは一瞬発狂が降ってくるほうがマシだな」と感じるので少し高めに。

ソフランも本来得意ではないので迷いましたが、譜面研究でカバーして結局出来るようになっているケースが多いので③譜面認識はこの数値に。

ズレハネやら光らせるやらそのへんの能力は得意分野なので、⑤リズムキープは最大値にしました。

⑥機種固有の技術については機種にもよるのでなんとも言えませんが、平均してこの数値に。

 

本当は機種によって評価した方がより正確な数値が得られるのですが、あくまで「全機種共通の指標」ということなので、だいたい平均してこのくらいかな、という値にしています。

自分の能力についてのレーダーチャートがあると、各音ゲーの譜面をレーダーチャート化した際に似ている形のものが自分に向いてそうな、いわゆる得意譜面になり得る譜面だと言うことができるでしょう。

なんとなく私の能力はデイドリのチャートの形に近いような…。

 

ぜひ皆さんもやってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

さて、ここまでこの指標をベースに説明をしてまいりましたが、他機種のステータスを鍛えるにあたって、実は「このグラフがこのまま使える」ということにはなりません。

例えばGFの「MODEL DD10(ADV-G)」を出来るようにするために、同系統の体力譜面であるSDVXの「Blastix Riotz(GRV)」を連奏することに効果はあるか?と言われると、答えはNOになるかと思います(もちろん、ペース配分の意識などが鍛えられるという意味でまったく無意味というわけではないとは思いますが)。

 

先週から少し触れてはいる話なので種明かししてしまうと、機種によって「他のどの機種に近い/遠い」という部分が存在しているからこういうことが起こるのです。

 

下の関連図は、KONAMI音ゲーの各機種に求められる地力についてどのような関係にあるかを私なりにまとめたものです。

赤字は「どのような点において関連があるか」を書いたもので、機種同士を結んでいる線が太いほど関連性があるというイメージで見ていただければ幸いです。

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各機種の関連性イメージ

もちろん関連性はこれだけではないと思うのですが、重要なのは細かい点というより、「ざっくりこのような関連が各機種にあることを理解した上で共通の指標を使う」ということです!

 

 

議論が長くなってしまいましたので、まとめます。結論としては、

「ある機種の地力を上げたい場合、なるべく関連の高い機種において同系統の譜面を練習すると、その地力は効果的に上がる」

ということになります。

 

 

・最後に

ここまで色々議論してきましたが、上記は仮説ですし、ご存じの通り地力は水物なので、必ずしも正しいと保証できるものではありません。

ですが、なんとなく私のいままでの音ゲー歴での感覚としては、「他機種で同系統の譜面をやると地力にバフがかかる」ようなイメージでいます。

今回はその「なんとなく」を言語・図式化できたことに意味があると思っております。今後は実際に効果がどの程度出るのか?というのも検証してみたいですね。

 

もし地力が伸び悩むようなことがあって困っている方がいれば、上に書いたようなことが参考になれば幸いです。

他の音楽ゲームをプレイして「こっちの音ゲーも楽しいな」というようなことになれば私としても大変うれしいです。ちょうど連動イベントもやっておりますし…w

 

音ゲーを上達したいと思っている人が、より楽しく上達できるような世界が来たら嬉しいなって思います。

 

 

【今日のまとめ】
・各機種を上手くなるにあたって求められる能力には差がある
・機種の差と関連性を理解したうえで、似た系統の譜面を練習すると良い
・いろんな音ゲーをプレイしてみると、思わぬ上達が得られるかも

 

ありがとうございました。