ぴこ師匠の音ゲーばなし

音ゲーに関する知識や雑学などを皆さまにお伝えするブログです。

#25:【全般】全機種共通の指標は作れるか?(前編)【コラム】

ぴこと申します。
本日もブログを見に来てくださり、まことにありがとうございます。

 

オリンピックの開会式が行われました!演出、良かったですね。

音ゲーマー的オリンピックであるところのKACについても、どのような演出になるか楽しみです。

 

さて、私の近況ですが、KACが延期となりましたので、最近はIIDXをがっつりプレイしております。

ギターとボルテの対策もしてはいるのですが、あまり手の内を明かしたくないのでTwitterの画像欄はもっぱらIIDXのリザルトで埋まりはじめていますw

 

…ええ、言いたいことは分かります。「KACに出ない他の機種ばっかやってて大丈夫なのか?」という話ですよね。ですが、お待ちください。

もちろんBPLがアツすぎてIIDX自体のモチベが上がっているというのもありますが、ここでIIDXをプレイしている理由としては、もうひとつあります。

それは、「鍵盤力と指の持久力を上げること」です。

 

7月17日のKAC本番に向けてスケジューリングをしながら対策を重ねていたところ、ギターについてもボルテについてもどうしても上記2点がネックになるということが分かりました(普段からずっと感じていたことではあるのですが)。

なので、ただIIDXをプレイするというわけではなく、☆12高密度の譜面やCHARGE譜面を多く選ぶようにし、少し音ゲー的筋力トレーニング」を行っていこうという算段です。

 

正直☆12ばかりやるのはシンドイ面もありますし、かなり実験的なのでどれ程効果があるのかはわかりません。ですが、既に以前に比べて気持ち鍵盤力が上がっている実感があるので、詳細なKACの日程が発表されるまでは手を痛めない程度に続けてみようかと思っています。

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穴AAなんかまさにうってつけのトレーニング譜面ですよね(むずいけど…)

 

思い返してみれば、ノスタルジアをがっつりプレイしていた去年を境に、片手の指押し力が上がっていたということもありました。

また、IIDXノスタルジアでBPM130台の16分高密度に押し負けるような時は、ポップンの同系統の譜面をプレイして、腕のスピードを上げてから挑んでいたこともありました。

 

このように、メイン機種で伸び悩んだ時に他の音ゲー機種をプレイしてから戻ってくると、「他機種で培ったテクニックが使えることに気づいて実力が伸びる」ということが往々にしてあります。みなさんも実際に体感したことがあるかなと思います。

また、他の機種のランカーが新機種をプレイしたら異様に上達スピードが速かったなんて場面をよく見かけますが、それはその人がこの相乗効果的な上達法を地で行っているからだというのが一番の理由でしょう。

使えるものはなんでも使っていきましょう。

 

 

前置きが長くなってすみません。今日はここからが本題です。

上記のような「他の機種で培ったテクニックが使える」という件はかなり抽象的なので、どうにかして定量化してみたいな、と思いました。

 

こういうテクニックが定量化できれば、「メイン機種で練習する+サブ機種の同系統の譜面で練習する」という練習方法がもっと一般的になるのかな、と思ったのです。「ボルテで体力譜面やってたらバテてしまう…。ならIIDXポップンでこの譜面を練習しよう」みたいな話ができるようになります。

うまくいけば、本来の機種のみを練習するよりも上達の近道になる、というところまで提示できるかもしれません。

 

しかしそのためには、まず「全機種で共通する指標」を作成しなければなりません。ここで言う指標は、わかりやすく言えばIIDXで採用されている譜面のテーマです。

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こういうやつ

例えば「体力譜面」といったジャンルについては、(比重の違いはあれど)どの機種でも存在するものですし、かたやIIDXのスクラッチやボルテのつまみのように、その機種特有の技術を要するものもあります。

この例で言うと「体力譜面」は全機種のステータスを表す指標となりえますが、「スクラッチ譜面」は他機種に応用があまり利かないため、指標とはなりづらい…というような話です(伝わりますでしょうか…)。

 

そんなわけで今週は、各機種の譜面の特徴と、上達にはどういう技術が必要なのか?という点を紐解いていき、この「全機種で共通する指標」としてどのようなテーマが妥当なのかを考えてみたいと思います。

次回は、そのテーマに沿って実際に例を挙げつつ、じゃあ上達するためにはどう指標を使ってどういうアプローチを取ったら良いのか、を考えていきます。

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つまるところ地力をこんなようなレーダーチャートで表せたら良いなって思います

 

以下、機種ごとに求められる技術を考えてみましょう(赤字で書いたものが新しく登場した指標のつもりで書いています)。

 

IIDX

一番わかりやすいのはIIDX。既に公式が採用しているテーマがありますから、それをベースに考えてみましょう。

NOTESやPEAKについては、どの音ゲーでも使えそうな基準です。「譜面認識力(見切り力)」「物量/体力」「高密度/速さ」などに言い換えることが可能です。

CHORDは機種にもよるので少し微妙かもしれません。どちらかというと物量に分類されそう。あとはIIDXの同時押しでは特に「見切り力」「見切った同時押しに対して正確に指を采配する力」が必要になるかな、と思います。後者の技術がないとBADハマりしてしまいそう。

CHARGEやSOF-LAN(BPM変化)についても複数機種に跨るジャンルではありますが、全機種ではないのでこのままでは使えません。CHARGEは見切り力「片手力」、SOF-LANは「見切り力」の世界になりそうです。

SCRATCHは完全に機種特有の技術です。あるとしたら「個数を認識する能力」でしょうか。

 

・pop'n

以下の機種は、上記IIDXの基準をベースに当てはめてみましょう。

ポップンの高難易度楽曲の場合は特に体力のペース配分が大事なので、「物量/体力」はかなりウェイトが重そう。

辛ゲージの場合はいかにノーツをこぼさないかという「拾いきる力」が大事になりそうです。

特殊譜面の傾向はソフランやロングノーツなど、割とIIDXと近しいところがあります。手首のスナップで譜面を捌くような技術はポップン特有かも。

あとは小節線がない以上、他機種より「リズムキープ力」を求められるイメージがあります。高難易度譜面を見ても16分と3連符が混じっていたりしますし。

 

・GF

ギタフリは少し特殊ですね。ソフランもないですし、かなり求められる技術が他機種と変わってきます。

とはいえ、「物量/体力」は絶対に基準としてあります。オルタなどで「高密度/速さ」が求められる場面も。

難しいのは運指や認識の面ですね。他の機種に比べてレーンが少なく同時押しも多くないので比較的認識が楽なのですが、オルタの個数の認識等で「見切り力」「リズムキープ力」が求められる場面はあります。

どちらかというと「認識出来ているのに身体がその通りに演奏できていない」という方のミスが多くなりそうなイメージ。となると求められるのは左手・右手ともに制御できること、すなわち「片手力」になるでしょうか。

あとは特に、フレーズコンボを採用している以上「緊張に負けない力」というところも特にありそうです。

 

・DM

ドラマニ「物量/体力」「高密度/速さ」はもちろんあります。

また、連打等でリズムや手順を組む必要がありますので、「譜面分析力」「リズムキープ力」は必要になってきそうです。高難易度になってくると手順を組むだけではどうにもならないような、いわゆる「片手力」を求められる譜面も出てきます。(どちらかというと脱力?)

バスペダルについては、DDRに通ずるところはあるもののかなり機種特有の技術と言えるでしょう。

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そういえばギタドラにも昔こんなグラフありましたね(画質悪くてすみません…)

DDR

DDRは求められる指標が非常に分かりやすい。「物量/体力」「高密度/速さ」「リズムキープ力」が何より求められる機種です。

フリーズアローについては、他の機種で言う「片手力」が一番近そう。ショックアローは避ける能力なので、かなり特殊技能チックです。IIDXでBADハマりをしないために押しすぎを回避する、という部分が近いくらいでしょうか。

また、DDRソフラン/停止に関してはかなり特有の技術と言えるでしょう。他機種にもないとは言いませんが、DDRの場合はボス曲に対するソフラン/停止の割合が桁違いです。

 

jubeat

指とボルテに関しては理論値をいかに多く取るか、といった点がそのまま上手さの指標になりますので、GFの「緊張に負けない力」に通ずる能力が必要になりそうです。

こと指に関しては、リズムを理解したり運指を考えたりするための「譜面分析力」も必要そうなイメージがあります。

譜面的なところで言うと、これまでの「物量/体力」「高密度/速さ」はもちろんですが、上位譜面にはホールドマーカーによる片手拘束譜面も増えてきましたので、「片手力」は必要になる場面が多そうです。

 

・SOUND VOLTEX

とにかく楽曲のBPMが速い!平均BPMが一番高そうな機種です。となるとやはり「高密度/速さ」に対応する力が必然的に求められます。

もちろん、譜面によっては「物量/体力」「片手力」が求められる譜面も多くあります。

つまみについてはIIDXのスクラッチと同じく、「その機種固有の技術」ということになります。「見切り力」も必要かなと。

 

ノスタルジア

ノスタルジアIIDXと近く、かなり指押しに寄った機種になっています。「物量/体力」「高密度/速さ」はもちろん、「片手力」が非常に求められる機種です。

また最近ではテヌート(いわゆるロングノーツ)を押しながら指押しをさせるような譜面も増えてきました。クラシックがモチーフになっておりテンポ変化もしやすいので、「リズムキープ力」の面でもかなり求められる能力は高いです。

特殊技能としては長い階段などで、真横に運指を組み替えていくような場面です。IIDXのDPが一番近そうですが、ノスタルジアは密度が濃くない分移動距離が長いです。これも一応「片手力」ということにはなりますが、どちらかというと「機種固有の技術」と言った方が良さそうです。

 

・DANCERUSH STARDOM

ラストはダンスラ。DDRと似ていますが、どちらかというと全身を使うようなイメージで、「その機種固有の技術」が多い気がしています。

パフォーマンスは固有の技術と言えるので譜面・スコア的な面だけで言うと、「物量/体力」「高密度/速さ」「リズムキープ力」あたりは必要になりそうです。

 

 

・結論

以下の6つを基準としてみたいと思います。

 「物量/体力」
 「高密度/速度」
 「譜面認識/分析」
 「精密さ」
 「リズムキープ」
 「機種固有の技術」

 

上2つは完全にどの音ゲーでも使える基準でしたので、そのまま採用となりました。「物量/体力」は同時押しやノーツが多いもの、「高密度/速度」は瞬間最大風速が高いものを表すイメージです。速い縦連などは後者。

たびたび出てきた「分析力」については、譜面認識と近しいので「譜面認識/分析」といった形でまとめてしまいました。ソフランはここに分類されます。

 

多くの機種で求められる片手力/片手拘束IIDXのBADハマり回避、DDRのショックアローなどについては、普段のプレイよりもより細かい技術が求められるという意味で「精密さ」というテーマでまとめてみました。もう少し上手いこと言いたかったのですが、致し方なし…。

また、最上位の判定を取りづらい難しさの楽曲もあると思うので「リズムキープ」というテーマも採用しています。

クラッチやつまみなどは「機種固有の技術」というテーマでまとめています。これが高ければ高い楽曲ほど、他機種に応用が利きづらいということになります。

緊張に負けない云々は機種特有のものではありませんし、メンタル的な側面なので採用しないことにしました。

 

上3つくらいはサクッと考えられましたが、特定の機種で求められる技術が他の機種だと全く求められなかったりして、意外と難しかったですね…。

でも蓋を開けてみたら、「まあ音ゲー上手くなるにはどれも必要な技術だよな」と感じられるような指標が出来たと思うので、良かったです。

 

次回へ続きます!

 

【今日のまとめ】
・他機種の技術を使って上達する場面は往々にしてある
・もしかしたら他機種をプレイすることが上達の近道になるかもしれない
・全機種共通の指標っぽいものが出来ました

 

ありがとうございました。