ぴこ師匠の音ゲーばなし

音ゲーに関する知識や雑学などを皆さまにお伝えするブログです。

#1:【GF】オトベアでもわかるディレイワイリング入門【解説】

ぴこと申します。
本日もブログを見に来てくださり、まことにありがとうございます。

 

さて今回からいよいよ本題ということで、まずは私のメインゲームでもあるGuitarFreaksから、
ディレイワイリング、いわゆる「遅延」のお話をしたいと思っています。
ギタフリのランカーたちが何故あれほどワイリングを追い求めているのか、どういったレベルで戦っているのか。
そのあたりのイメージが湧きやすいように、解説していきたいと思います。

 

よく「サルでもわかる音楽入門」的な表現があったりしますが、
ギタドラにはオトベアというマスコットキャラクターがいますので、彼(?)の名前をお借りしました。

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オトベアくん

 

・ディレイワイリングとは何か

GuitarFreaksをプレイしていると、ノーツの横にギターマークがくっついていることがあります。
このギターマークの矢印の方向に合わせてギターコントローラを振る行為を「ワイリング(Wailing)」と呼びます。
ギタコンを振ると、「ドーン!」という音と「ワァー!」という歓声が鳴ります。さながら演奏のキメ。これが気持ち良いんです。
ちなみに本来はウェイリングと読むっぽいのですが、皆ワイリングと呼んでいます。まあ、その方が呼びやすいですからね。

 

この辺の話は公式サイトにも載っています。
https://p.eagate.573.jp/game/gfdm/gitadora_nextage/p/howto/howto.html

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これがギターマーク

さてこのギターマーク付きのノーツについてですが、
ギターマーク付きのノーツを弾いてから1秒以内ならどこで振ってもよい
という仕組みがあります。1秒以上経ってしまっていると何も反応しません。さみしい。

この「ギターコントローラを振る」という行為を1秒以内の適切なタイミングで行うことを、
ワイリングを(ノーツがある場所より)遅延させるという意味で、「ディレイ(遅延)ワイリング」と呼んでいます。
(ここでは「適切」という言い方をしています。これについてはこれから解説します)

 


・なぜディレイワイリングをするのか

ディレイワイリングをする理由、ズバリそれは「スコアが伸びる」からです。
ギタドラにはスキルに絡む「達成率」のほかに「スコア」という要素がありまして、
例えばKAC予選ではそういった「スコア」で順位を競うことになります。
判定が他の音ゲーに比べ甘めである分、達成率では同点が起こりやすいので(極端な話、MAX連発になってしまうので)
差別化のためにスコア方式が取り入れられているのではないかと思っています。

 

記憶に新しいThe 9th KACエリア決勝ではバトルモードではなく課題曲のスコア勝負となっておりましたので、
このあたりの話は予選以外でも無関係というわけではないことがわかります。
もっと言ってしまえば、The 10th KACは予選にて通過する人数は5名というルールなので、
おそらく高確率で決勝もスコア勝負が採用されるだろうと予想できます。やはり、高いスコアを出せるに越したことはなさそうです。

 


・スコアの仕組み

この辺は細かい話なので、軽~く読んでいただく程度でも大丈夫です。

 

ワイリングによって得られるボーナスは次の2つです。

①ワイリングボーナス
ワイリングを行った時点でのコンボ数×100点がボーナスとして加算されます。(500コンボ以降は50000点固定になります)
できるだけコンボ数が多い状態で(なるべく遅らせて)、ワイリングを行ったほうが良い」ということになります。

 

②ブーストボーナス
ワイリングを行ってから3秒間、弾いたノーツによって得られるスコアが倍になります。
この間は降ってくるノーツが若干輝きます。「ブーストがかかる」という言い方をしたりします。
この3秒間に多くのノーツが入るような状態で、ワイリングを行ったほうが良い」ということになります。

 

ただし、①と②は必ずしも同時に最大値を満たせるわけではありません。
その時は、基本的に②のほうの行動基準でディレイワイリングをする場所を決めることになります。
理由は単純に、②のボーナスのほうがウェイトが大きいためです。

 

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図にするとこんなかんじ(譜面は適当に配置したものなので、特定の楽曲ではありません)

上記の図では、AよりもBのタイミングでワイリングを行ったほうが、
3秒間に多くのノーツが入るような状態になるため、スコアが高い、と言うことができます。

これが先ほど申し上げた「適切なタイミング」の意味です。

 

 

・課題曲を詰めるプロセスと、その難しさ

さて、遅延ランカーたちが課題曲を詰める際、だいたい次のようなステップを取ります。

①詰める曲のワイリングを(動画などで)チェックし、ひとつひとつどこでワイリングするのが適切なのかを計算する
②実際にその曲をプレイし、身体にワイリング位置を叩き込む
③何度もエクセを取り、納得のいくスコアになるまでプレイし続ける

 

は、上記のスコアの仕組みを考えたうえで、スコアが最大値となるようなワイリング位置を決める作業です。

例えばBPM120の楽曲では「1秒間 = 4分音符2つ分」、BPM150の楽曲では「1秒間 = 8分音符5つ分」となりますので、
BPMとノーツ位置を考えながら、適切なワイリング位置を当てはめていくことになります。さながらパズルを解く作業のようです。

 

それが決まったら、ゲームセンターへ赴き、②③の作業に入ります。

ほとんどの遅延ランカーは、実際に1秒きっかりを数えているというよりは
何拍目と何拍目の間でギタコンを振る!」という意識でやっています。

 

先ほど述べたとおり、例えばBPM120の楽曲では「1秒間 = 4分音符2つ分」となりますので
プレイしながら頭の中で拍をカウントし、それっぽい場所でギタコンを振っています。

BPMによってはかなりギリギリの位置でギタコンを振らなければならないような楽曲もあり、
中には遅パフェ(本来のノーツ位置より遅いタイミングのPerfect判定の位置)が必須の楽曲もあります。

 

また、GreatGoodでは点数が下がってしまうので、より高いスコアを狙おうとする場合、Excellentは必須となります。
ディレイワイリングを決めながらExcellentを狙おうとすると、それはもう難易度が跳ね上がります。
繋ぐだけならなんでもないようなところで癖がついたり、曲後半にかけて緊張感が高まったり…。

 

例を挙げると、The 8th KACの予選課題曲だった「Road to Dream(MAS-G)」、私は納得いくスコアが出るまで250回以上掛かりました。
ワイリング全38か所を練習するうちにいろんな場所に癖をつけ、何度も何度も試行錯誤したのを覚えています。
(癖の抜き方として試していることについてもそのうち本ブログで紹介したいなと思います)

 

まとめると、ギタフリのランカーたちがKAC予選でやっていることは
Excellentを取ることを前提として、譜面をよく研究したうえでディレイワイリングを高精度で複数回決める
ということになります。
「判定が厳しい」「求められる身体能力レベルが高い」「心臓の強さが求められる」など、
音楽ゲームにそれぞれ厳しいポイントはありますが、ギタフリというゲームのKAC予選に限って言えばまさにここが一番厳しいポイントです。


初回からものすごく長くなってしまいました…。
この記事で「遅延って楽しいよ!」「みんなもやろう!」と言うつもりはありません
スキルを求めること自体も物凄く楽しいですし、猶予の厳しい楽曲でスコアを詰めるのは苦難の道でもありますので…。
ですが、今後のKACを見たり挑んだりする上で、少しでも楽しむための材料にしていただければ、とても嬉しいです。


そしてもし達成率MAXでも物足りない、その先を見てみたいという方がいらっしゃれば、我々はあなたを歓迎いたします。


【今日のまとめ】
・上げるまで1秒、上げてから3秒
・1秒の数え方はBPMと拍数で!
Excellentはスタートライン

 

ありがとうございました。